ひとくちに是正勧告・あっせん問題といっても、会社がおかれている状況によってベストな解決法は変化します。
具体的な解決方法ももちろんですが、御社が置かれている状況を的確に判断し、最適な解決案を策定する見立ても、問題解決にあたる社会保険労務士の経験と判断力、つまり腕の見せ所なのです。
ただ、法律の専門家ではない経営者さんにしてみれば、
・どういった問題が難易度が高いのか
・どういった問題が緊急性が高いのか
などは、非常に分かりにくいものだと思います。
そこでここでは、わたしがこれまで取り扱った具体的な事例を紹介しながら、どういった問題が思わぬ地雷になる可能性があるのか、理解を深めていただこうと思います。
下に行けば行くほど、問題解決の難度が増します。
ただし、実際の現場で運用する際には、トップの考え一つでリスクが減ることも増えることもあります。また、仮にトップが高い意識で実行していても、個々の管理職の意識がネックとなって問題に発展するケースも少なくありません。
さらに、問題抑制のためのマネジメントを行っていても、さらに高難度の問題に発展していく可能性もあります。
ですから、ここでご紹介する事案はあくまでご参考程度にとどめていただき、不明な点や心配なことがある場合は、一刻も早くこちらの相談フォームからご連絡いただければと思います。
難度の目安:
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事前に問題が生じないように整備する場合や、トラブル解決後に、再度問題が生じないように整備する場合 |
「就業規則の規定による方法(労働法規の活用、つまり現在の労働法規の制度の範囲内で工夫する方法)です。
会社がまずは手がけるべき対処方法だといえます。
難度的には星ひとつですが、実際には活用されていないことがとても多いのです。
一般書籍等で「残業手当を適法に少なくする方法」として紹介されている方法もここに属することが多いですが、多くの場合は会社の実態に合わせる必要があります。
ただ、それでも難度的には★☆☆☆☆です。
⇒詳しい事例を見てみる |
難度★、★★は、「規定」つまり労働法規や就業規則の活用でできることです。
ですから、すぐにとりかかることができます。
ご注意いただきたいのが、「モデル就業規則を使用しただけ」というパターン。
導入の影響を省みることなく、既製品のモデル安易に取り入れたことによって、かえって大変なことになってしまったという事例もあるのです。
難度★、★★といえども、使い方によっては効果は大きいのです。
難度の目安:
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日常の人事・労務のプロセスや運用の仕方で対処する方法
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難度★、★★を完備したとしても、運用の仕方によってはその効果をゼロにしてしまいます。
実はこれ、超難度の問題(トップの意識や、その時の精神状態)に関わることも多いので要注意です。
こうした問題解決にも、注意すべきポイントがあります。
⇒詳しい事例を見てみる |
上記事例と、下記の超高難度の問題は、就業規則等を規定・変更したあと、もしくは、トラブルの解決後にメンテナンスする必要があります。各人の意識に取り込むように。
是正勧告・あっせんの通知等トラブルが生じてしまったら
ここから紹介する事例は、「是正勧告」や「あっせん」等、実際にトラブルが起きてしまった後に対処しなければならない事例です。
既に問題が発生してしまっているわけですから、迅速に事実関係を明らかにすることはもちろんのこと、双方のメンタリティ(感情面)も十分に考慮して、問題解決にあたる必要があります。
何故ここまで考えるかというと、なるべく短期間で解決し、その後に尾を引かないようにするためです。場合によっては、調停や裁判も視野に考えていくこともあります。
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